GOIKEN BLOG

ゴイケンの雑記帳

『レイチェル-黒人と名乗った女性-』というドキュメンタリーに考えさせられた

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この映画は人種という概念に切り込んだ、先進的なドキュメンタリー作品だと思います。(NETFLIXで見れます)

 

レイチェルは、白人にも関わらず黒人と名乗る女性です。

レイチェルは心から自分は黒人と思っており、それを「Trance Racial(人種転換)」と呼びます(つまり、自分のアイデンティティは黒人と本当に思っています。その理由は、彼女の生い立ちに隠されています)。

私は、トランスレイシャルという概念を、恥ずかしながら初めて知りました。

 

このドキュメンタリーは、レイチェルが住んでいるコミュニティから迫害され、レイチェルの子供達も迫害に苦しむ姿を描く、なんとも重々しい作品です。

 

最初に衝撃的な事は、心では黒人であると心底思っている白人であるレイチェルが、黒人社会からは受け入れられると思いきや、全く真逆で、黒人からより強くパッシングされるという事実です。

 

なぜでしょう?

 

それは、人種差別の辛さを知らずして、黒人のふりをして、黒人権利を訴える活動などに参加している為です。(例えば、末期癌患者たちが集まるセラピー(お互いが死の恐怖や恐れを吐露し、お互いの境遇にシンパシーをし、慰め合い、懺悔するような場)の中に、末期癌を偽る健常者が紛れていたらどんな思いがしますか?おそらく、そのセラピーに参加する人たちからは負の感情が生まれ、大方排除される可能性が高いですね)。

また、白人から黒人にトランスレイシャルをした事自体が、脚光を浴び、その脚光を浴びたという事実自体が、世間には白人の特権とも捉えられました。(逆に黒人から白人ですという偽りに関しては、ただその場で笑われるだけで、お茶の間を賑わす話題にはならないはずです。この不可逆性が人種差別の問題を既に孕んでいるとも言えます。)

 

これらの理由から、人種差別の活動家、人種差別撤廃を訴えるデモに参加する黒人の方々にとっては、黒人の現状を訴えるインフルエンサーとして活躍する白人、という彼女を批判する事は概ね理解できます。

 

 

 

映画の物語としては、レイチェルとその周りの人物(特にレイチェルの子供たち)の葛藤は見どころです。

レイチェルという人物の優しさ、知性、才能を知っている周りの人々は、彼女を擁護したいが、しかし、上の理由、自分にも悪いレッテルが貼られ、自分を自分自身として見てもらえなくなる現実から、擁護が難しく、その葛藤に精神的に苦しみます。

 

レイチェル自身も、自身を世間を納得させるために白人ですと認めれば、全てのコトは収まると理解していますが、その事実は一切認めません。

この葛藤に感情移入できるかどうかが、この映画の評価を決めそうですね。

 

また、見ていてしきりに思うのですが、彼女は芸術家であり活動家であるということです。

白人と認めてしまえば楽になれますが、自分が正しいと思う真実からは目を背けず、世間に対してその問いを発し続ける姿は、芸術家であり活動家です。

実際、彼女は絵描きでもあり、作品中に出てくるいくつかの作品には、訴えるものがあると私は感じました。芸術をみる教養がないので、分析はできませんが、見ていて心が揺すぶられる感覚はありました。動画の演出のせいかもしれません(笑)

 

ここで主題に入ります。

彼女の「人種も自由に選択してもいいではないか?」という主張自体は本当に間違った考えなのでしょうか?

 

私の意見は、もちろん未来は見通すことはできませんが、このTrace Racial(トランスレイシャル)という考え方は先進的であり、彼女の考えのエッセンスの一部は、時代と共により受け入れられるのではないかと思っています。

 

男性でも男性が好きで女性になりたい人がいて、それが許されるのであれば、

白人でありながら、黒人になりたい人がいることも問題ではないと私は思います。

 

もちろん、私が黒人ではなく、日本という人種差別に関してアンテナに低い国にいるので、シンプルにこのように考えられるのだと思います。

一方で人種差別の渦中にいる人々には、実体験があるので、論理から入るのではなく、体験も加味しつつ、このようにシンプルに考えられないでしょう。

 

しかし、社会の常識は未来の非常識になるのは世の常であり、人種差別に終止符を打ちたいのであれば、トランスレイシャルという概念を受け入れる、もしくは人種ではなく「人類」という概念のみに統一することになる気がします。

しかし、人種を自由に選択できるようになったら、そもそも人種の区分とは何か?という新しい疑問も生まれますね。難しい。。。

 

非常に非常に難しい問題ですね。人種差別に疎い私としては、色々な方の意見が聞きたいところです。ぜひコメント欄に意見をくださいませ。

 

肌の色の違いは、遺伝子のコードが多少ずれているだけで、姿、形、思考、生殖の仕方、特に生物的な違いがないにも関わらず、こんなにも差別が生まれている現状に、個人的には「?」が出ます。

 

それだけ、人間が印象や感情というものに支配されるということを表しているのでしょうか?

全く脱線しますが、人間の脳や意思は、「感情>論理」に従い結論をだす傾向があるという科学的調査を行った『ファスト&スロー』という本をよく思い出してしまいます。著者は最近また新しく本を出しているのかな?

 

最後に、このドキュメンタリーは、人種差別、平等、政治に興味ある人には、非常に鋭い切り口で取り扱った作品だと思います。

 

人種差別は、人間の知性がもたらす負の側面と言ってよいでしょう。だからこそ、この知性というホモサピエンス最大の武器の強みを生かしつつ、負の側面もあることを把握し、感情ではなく論理を優先させた意思や考えを持つことが大切だと、このドキュメンタリーをみて思った感想です。

 

今後も人種差別の捉え方は変わってくると思いますし、そういった転換期にまた見返したい映画でした。

 

 

 

 

 

 

ランナー膝でフルマラソンに出た結果

ランナー膝とは

 

ランナー膝はO脚の人、硬いアスファルトでよく走る人、ふくらはぎが硬い人などがなりやすい(複合的要因でなる)。

 

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引用)ランナー膝 | 骨盤矯正 名古屋市|名古屋ハピネス鍼灸接骨院 丸の内

 

膝周りの筋肉と骨が擦れることで炎症が起こり、膝を曲げ走ることがだんだん困難になる。特に階段を降りる時の痛みが強い。

炎症なので、2,3日経つと痛みは引くが、その状態ですぐ走ると、また痛みが出てくる。

なので、痛みが引いても、走る距離を調整したり、走る場所を柔らかい土の上で行うなど、休養しながら、過度の膝に負担を伴うランニングなどを控える必要がある。

 

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『B:The Beginning』シリーズ1の感想

f:id:GOIKEN:20180306184602p:plain引用元)作品紹介:B:The Biginning

 

概要

 

異能力バトルとサスペンス要素が交じった作品。

サスペンスだが、非現実的な能力を持つ人間ならざるもの達の物語でもあるので、非現実要素は多い。

今までの様々な人気サスペンス、異能力バトルの良いところが交じったような作品。

アクションシーン、背景などの映像は美しく、さすがNetFlix作品だと思う。

(毎週放送しないといけないアニメだとどうしても、絵の背景などに手抜きがある)

 

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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』最新話(8話)までの感想

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概要

 

ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、2018年1月からスタートし、現在(3/5)、NetFlixを中心に1~8話まで配信されている。

主人公のヴァイオレット・エヴァーガーデンが、愛を知るための物語。

愛とは何か。

この疑問について、考え直したい、新しい視点を得たいという方にオススメのアニメ。

また、この物語のいう愛は、恋愛・情愛という限定的な愛ではなく、隣人愛などより広範な意味での愛を指している。

 

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